矯正治療をすると、ワイヤーやマウスピースの他に
「顎間（がっかん）ゴム」を併用して治療を進めることがあります。
顎間ゴムは、ワイヤーやマウスピースだけでは歯の動きが足りない治療の場合に
力を補う重要な役割を担っています。

しかし、患者さんとしては、
「歯にゴムを入れ続けるっていったいどんな治療なんだろう？」
「どんな効果があるの？」
などと、疑問や不安を感じることがあるかもしれません。

この記事では歯間ゴムを利用する目的や効果、注意点をわかりやすく解説します。

顎間ゴムを使う場面は？

顎間ゴムは、矯正治療の中でも「仕上がりを左右する重要なアイテム」です。
最後の微調整に必要な力を加えたり、治療に適切な方向に動かしたりする役割があります。
これから、顎間ゴムが具体的にどんな場面で使用されるかを紹介します。

• 上顎前突（出っ歯）の改善が必要なとき
  上下のあごの前後的なズレを整えるために、上方向または下方向へ引く力を加えます。
  
  
• 下顎前突（受け口）の補正を行うとき
  　下あごが前に出ている場合、顎間ゴムの力で適切な位置へ誘導することができます。
  
  
• 奥歯の噛み合わせのバランス調整が必要なとき
  　ワイヤーだけでは難しい奥歯の位置関係の改善に役立ちます。
  
  
• 左右の噛み合わせバランスを整えたいとき
  　片側のみ顎間ゴムを使用することで、左右差を微調整できます。
  
  
• マウスピース矯正（アライナー）の動きを補助するとき
  　アライナー単独では加えにくい方向に力をかけられるため、治療精度を高められます。
  
  
• 治療の仕上げ段階で細かい調整が必要なとき
  　最終的な噛み合わせを理想的な位置に導くための微調整に効果的です。

顎間ゴムの効果とは？

顎間ゴムは見た目こそ小さなゴムですが、

歯並びと噛み合わせを理想的な状態へ導くために欠かせない重要なアイテムです。
ここでは、顎間ゴムを使うことで得られる主な効果を、ポイントごとにわかりやすく紹介します。

• ワイヤーやマウスピースだけでは難しい動きを補える
  　矯正装置だけでは加えにくい方向に力をかけられるため、
  　治療の精度が向上します。
  
  
• 治療の予定通りに歯が動きやすくなる
  歯の動きをサポートすることで、計画通りの移動が起こりやすく、
  治療期間の短縮につながることがあります。
  
  
• 噛み合わせがしっかり安定し、長期的な安定性が向上する
  　仕上がりが整うことで、治療後の後戻り防止にも貢献します。
  
  
• 上下の噛み合わせを正しい位置に導く
  　顎間ゴムの引っ張る力により、上下の歯が適切な位置関係になるよう誘導します。
  　特に前後的なズレ（出っ歯や受け口）の改善に効果的です。

顎間ゴムを使用するうえでの注意点は？

顎間ゴムは、正しく使うことで矯正の効果が発揮されます。
しかし、使い方や使用時間が守られないと、
思うように治療が進まずに、治療期間が延びる原因にもなります。

そのため、以下のポイントを意識して使うことが大切です。

• 指示された時間をしっかり守って使用する
  ゴムの力は「継続して使うこと」で効果が出ます。
  外す時間が長いと、歯が元に戻ってしまい、治療により時間がかかることになります。
  
  
• 指定された場所に正しくかける
  違う場所にかけてしまうと、力の方向が変わり逆効果になることも。
  分からない場合はすぐに医師に確認しましょう。
  
  
• ゴムは毎日新しいものに交換する
  使い続けるとゴムの伸びが大きくなり、歯にかける力が弱まります。
  清潔面からも毎日の交換が基本です。
  
  
• 食事や歯磨きのときは外してOK。しかし忘れず再装着すること
  ゴムを外した後、そのまま付け忘れてしまうケースが多いので注意が必要です。
  
  

強い痛みやゴムが頻繁に切れる場合は早めに相談する
ゴムのつけはじめは、痛みが出やすい場合があります。
しかし、装着方法が違っていたり、ゴムの種類が合っていない可能性もあるため、
頻繁に続くようであれば医師に早めに相談しましょう。

顎間ゴムの力を味方につけて、治療をスムーズに

顎間ゴムは、上下の噛み合わせを整えるうえで欠かせない補助装置です。
ワイヤーやマウスピースだけでは補いきれない動きをサポートし、治療の精度を高めてくれます。

正しい位置に、指示の通りに使い続けることで、より理想的な噛み合わせへ近づき、治療の仕上がりにも大きく影響します。
小さなゴムですが、矯正治療を成功に導く重要な役割を担っているのです。

できた矯正歯科では、患者さんに丁寧にヒアリングを行いながら、
理想のゴールに向けて、一人ひとりに合わせた最適な治療を進めます。
矯正を検討している方は、ぜひできた歯科までお気軽にお問い合わせください。