補綴前の矯正治療
補綴前の矯正治療とは?
補綴(ほてつ)治療とは、失われた歯の機能や見た目を補うために、人工の歯を入れる治療のことです。
入れ歯(義歯)、ブリッジ、インプラントなど、様々な方法があります。
こうした補綴治療をより良い結果につなげるためには、人工歯を支える周囲の歯の位置を整える必要がある場合があります。
これが「補綴前の矯正治療」です。
補綴前矯正が必要になるケースの一例
たとえば、ブリッジを入れたい場所の隣の歯が傾いている場合、そのままではブリッジが安定せず、噛む力をうまく支えられない可能性があります。
無理に補綴物を装着すると、支えとなる歯に負担がかかり、将来的に歯の寿命を縮めてしまうこともあります。
そこで、補綴の前に矯正治療を行い、傾いた歯やズレた歯を適切な位置に整えることで、人工歯の設計や機能性、見た目をより理想的に仕上げることが可能になります。
当院の補綴前矯正について
当院では、補綴治療を計画する前に、必要に応じて矯正治療を行い、より安定し、長持ちする補綴治療をご提案しています。
患者様の歯の状態や治療目標に合わせて、補綴歯科と矯正歯科が連携しながら、最適な治療プランを立ててまいります。
「入れ歯やインプラントを検討しているが、噛み合わせや歯の傾きが気になる」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
治療の流れ
STEP01
初診カウンセリング
(約1時間)
まずは、患者様のお悩みやご希望を丁寧にお伺いします。
歯並びを整えたい理由、現在のお困りごと、理想の仕上がりなどをお気軽にお話しください。
口腔内の診査や写真撮影を行い、現状を把握した上で、治療方法・期間・費用の目安についてわかりやすくご説明いたします。
必要に応じて
一般歯科治療をご案内します
矯正治療を開始するには、虫歯や歯周病などが治療済みであることが望ましいです。
必要な場合は、信頼できる提携医院をご紹介し、先に一般歯科治療を受けていただきます。
STEP02
精密検査(約30分)
精密な検査を通して、最適な治療計画を立てています。
レントゲン撮影、口腔内写真、歯型の採取などを行い、歯並びや噛み合わせの状態を詳細に分析。
当院では被ばく量の少ないデジタルレントゲンを導入しており、撮影した画像をその場で確認しています。
STEP03
診断(約1時間)
検査結果をもとに、歯並びや噛み合わせの状態を総合的に判断し、最適な治療方法をご提案します。
選択肢が複数ある場合やご希望との違いがある場合も、十分にお話を伺いながら、一緒に治療方針を決めていきます。
ご納得いただいた後、具体的なスケジュールや費用について詳しくご案内します。
STEP04
治療(1~2年程度)
当院では、毎回の処置前にその日の内容をご説明します。
口腔内写真やレントゲン、カメラ映像などを活用し、治療の進み具合やお口の状態をわかりやすく共有しながら進めていきます。
STEP05
中間検査
(治療開始から半年~
1年程度のタイミング)
中間検査では、治療目標に対する進捗を確認し、計画の見直しが必要かどうかを判断します。
初診時からの変化を一緒に確認しながら、今後の方針を再確認します。
補綴治療が必要な場合は、提携先の医師と連携し、スムーズに治療が進むようサポートします。
STEP06
終了時検査
治療終了時には、最終検査を行い、歯並びや噛み合わせ、治療目標の達成度状況を確認します。
初診時からの変化を実感していただき、今後のセルフケアの重要性や保定についても改めてご説明します。
補綴治療が必要な場合は、提携先と連携し、適切な補綴計画を立てさせていただきます。
STEP07
保定と定期検診
(2年程度)
歯の移動が完了したら、矯正装置を取り外します。
その後、歯が元の位置に戻らないようにリテーナー(保定装置)を装着し、歯並びを安定させます。
保定期間中は、3~6ヶ月に一度ご来院いただき、歯並びや噛み合わせのチェック、口腔内クリーニングなどを行います。
矯正装置紹介
マウスピース矯正(インビザライン)
マウスピース型の矯正装置を1~2週間ごとに交換し、少しずつ歯を動かしていく治療法です。
1日あたり20~22時間の装着が推奨されており、比較的軽度~中程度の症例に適しています。
目立ちにくく、取り外しも可能なため、ライフスタイルに合わせやすいのが特長です。
表側ワイヤー矯正
歯の表面にブラケットとワイヤーを装着し、力を加えながら歯を動かす一般的な矯正方法です。
唇側に装置があるため見えやすい反面、装置の管理やトラブル時の対応が比較的容易です。
幅広い症例に対応できる、信頼性の高い治療法です。
ハーフリンガル矯正
上顎に舌側装置、下顎に表側装置を用いる矯正方法です。
上顎の装置は外から見えにくく審美性に優れ、下顎の装置は舌への違和感が少なく快適です。
見た目と快適さのバランスを重視される方におすすめで、ほとんどの症例に対応可能です。
フルリンガル矯正
上下の歯すべてに舌側(裏側)装置を装着する矯正方法です。
正面からは装置がほとんど見えないため、審美性に非常に優れています。
症例によっては表側の一部に透明な装置を使用することがあります。多くのケースで対応可能です。